大工道具の代表格のノミやのこぎり
大工道具の一つに「ノミ」があります。削るときに使うものになり種類もさまざまです。例えば平らにするノミもありますし、丸く整えるノミもあります。もっとも一般的なのは「たたきノミ」と呼ばれるものになり、金ヅチを使ってたたき調整していきます。「追入れ(おいれ)ノミ」や「向待ち(むこうまち)ノミ」などの種類もあります。ノミは大工の作業のなかでも、特に難易度が高いとされています。そのため穴掘りだけで一人前になるのに3年かかるといわれることも。
のこぎりは、木材を切断するときに使います。側面には複数の細かな歯が刻んであります。とても強靭なものになり、扱いには注意が必要です。手動で使用するものもありますし、機械によって使うものもあります。木の目に沿って切断するする鋸を『縦挽き』木の目に直行するように切断するノコギリを『横挽き』といいます。横挽き用、縦挽き用と、両方の刃のついた通称両刃などのノコギリがあります。
鏨(たがね)について
鏨(たがね)といえば、大工工具のなかでも岩石や金属を加工するパワフルなものになります。鋭利な刃を持っていること、反対側をハンマーで平衡にたたくと削れますし、鉄板の加工ができます。鏨(たがね)は、とても古い道具として知られています。
一説によると、紀元前6世紀には存在していたといわれており、大理石の彫刻に使われていました。7世紀になると王の碑文にも使われていたそうです。日本に文化として取り入れられたのは、古墳時代です。石の棺を作るときに使われていたとし、そのときの時代に応じて姿を変えながら使われてきたそうです。現在は、効率重視で電動工具が使われることも増えましたが、鏨をあえて使っている大工さんもいます。大きな現場では電動工具を使うなど、現場によっても使い分けています。